今、インターネットで検索すれば、大抵のコトが解決してしまいます。

けれども、インターネット検索にも「弱点」があります。たとえば、「検索しなければ結果をだしてくれない」ということも、弱点のひとつだと思っています(広告は、検索しなくてもドンドンだしてくれますけどね)。

つまり、身近で起こっている問題や、ある程度知っているコトについては、検索することで情報を得ることができますが、知らない分野のことは検索しないし、検索しなければ情報が入ってきません。業務に関連しそうな「キーワード」をチェックしている必要があるのです。

私は社労士ですので、「働き方改革」や「法改正」について、日々情報収集を心がけていますが、それだけでは十分とはいえないと感じています。具体的にいえば、技術動向は「人事・労務分野」にも多大な影響を与えるので、「技術キーワード」についても無関心ではいられないのです。

昨日、インターネット白書2018が刊行されました(Kindle版なら、すぐに読めます)。

冒頭に「10大キーワード」があげられているので、その中から、「人事・労務分野に従事している人」がチェックしておきたい3つのキーワード(と、1つのおまけ)をピックアップしてみました。

 

1.仮想通貨

 

最近なにかと世間を騒がせていますね。「ビットコイン」が有名ですが、「ネム(nem)」が流出問題を起こしたことで、「ビットコイン以外にも、いろいろな仮想通貨があるんだ」という認識がひろまりました。

仮想通貨は、「投機の対象」という性質が全面に出てしまっています。しかし、「分散型台帳技術」という側面が、今後人事・労務分野にも影響を与える可能性があります。たとえば「従業員名簿」や「賃金台帳」などを含むあらゆる「台帳(データベース)」は、「分散型台帳技術」が応用されていく可能性が高いと思ってます。

「プライベートブロックチェーン」「スマートコントラクト」といったキーワードも、人事・労務分野に関係してくるかも知れません。チェックしておきたいキーワードです。

 

2.AI

 

「AI」はテレビ・ニュースで度々取り上げられているので、認知度がとても高いですね。けれども「正しく認知されているか」というと、そうではないようです。

「AI 人事」「AI 労務」といったキーワードで検索すれば、さまざまな情報が得られますが、誤解に基づくと思われる情報も多く含まれているのが現状です。

「AIとはどのような技術か」「どのように利用すれば効果的か」といことは、「利用する側」である私達「人事・労務従事者」も考えておかなくてなりません。「どこかのだれかが、いい感じに提供してくれる」のを待っていても、その希望が叶えられることは「無い」と、過去の経験から断言できます。

 

3.xTech(HRTech)

 

xTech(クロステック、エックステック)は、いろいろな分野とテクノロジー(主にICT)との融合です。フィンテック(ファイナンス✕テクノロジー)が有名ですね。

「HRTech」は、「HR分野とテクノロジー」を融合させることです。HRとは、「Human Resources(人的資源)」「Human Relations(人間関係)」の略です。

すでにいろいろなサービスが展開されています。現在利用しているサービスが、「HRTech」の成果だという例があるかも知れませんよ。

 

おまけ.RPA

 

「RPA」とは「Robotic Process Automation」の略です。「ロボットによる業務の自動化」「仮想知的労働者」「デジタルレイバー(Digital Labor)」と紹介されることもあります。

 

ロボットといっても、中心となるのは「ソフトウェア(アプリ)」です(データの入出力にスキャナやプリンタ等のハードウェアが組み合わされることがあるかも知れませんが・・・)。「機械学習」の技術を応用して、従来からあるような「単なる自動処理」では対応できなかった業務もこなします。

 

今後、かなりの事務仕事は「RPA」に置き換わるかもしれません。技術の進歩により導入のハードルが劇的に下がることも予想されます。

いわゆる典型的なロボットの画像です

 

まとめ

 

「人事・労務の業務」は、テクノロジーの進歩とともに変化しています。今、普通に利用している「パソコン」「インターネット」「メール」「電話」「コピー機」「電卓」などが、この世に存在しない時代の「人事・労務の業務」は、いったいどのようなモノだったのでしょうか。先人たちは「人事・労務の業務」を、テクノロジーの進歩にあわせて変えてきたのです。

今は、「そろばん」から「電卓」に変化したときとは比べ物にならないほどの「大きな変化」が、超短期間でおこる時代です。対応の遅れが大きな損失につながることも考えられます。適切に対応するために情報収集することが欠かせません。そのためには「キーワード」をおさえておくことが近道です。

ご参考になれば幸いです。