Wordを使いこなしていますか?

「使いこなしてるよ」という人は少数派のように思います。Wordって「思い通りにならない」というイメージがありますね。

レイアウトが勝手に変わったり、逆に変えたいのに変わらなかったり。メニューの中から名前を頼りに機能を見つけても「思っていたのと違う結果」になったり。

それでも私たちは、なんとかWordを使っています。Wordは文書を作るためのツールですから、イメージどおりの文書を「とりあえず」作ることができれば、当面の目的は達成できるワケです。

「就業規則」って、わりと特殊なカタチをした文書

ここで、就業規則について考えてみましょう。

日報や議事録や報告書や通達文など、普段作ることが多い文書と違って、就業規則は「特殊なカタチ」をしています。その特徴をカンタンにまとめて見ました。

  1. 「章」「節」「条」「項」「号」などの文章構造が明確に(厳格に)決まっている
  2. 「章」「節」「条」「項」「号」などの文章構造ごとに、文字の大きさやインデントなどを調整する必要がある
  3. ところどころで、条文番号や図表番号を参照する必要がある
  4. 普段使う文書にくらべて、かなりボリュームがある(全体で数十ページ、条文数で100前後になることも・・・)
  5. 法改正などで、けっこう頻繁に改訂する必要がある
  6. 改訂のときには、新しい規定を途中に挿入する必要があることもある(つまり、以降の条文番号が順番にズレていくこともある)

以上のような就業規則の「特殊なカタチ」が、けっこうな悩みのタネになるコトがあります。

「就業規則」にまつわる困ったテマヒマ

どんな文書を作るにしても、それなりにテマヒマがかかるモノです。しかし、それにしても「就業規則」の作成・改訂には、コマゴマとしたテマヒマががかります。

たとえば、

  1. 新しい条文を規則の途中に挿入するとき、以後の条文番号の振り直しや参照先の変更が必要(労基法32条のように、枝番号をつける方法もありますが・・・)
  2. 条文番号や図表番号をあちこちで参照しているため、参照先も含めて「ヌケ・モレ・ズレ」のチェックが必要
  3. 章立てを見直し、順番を入れ替えようと思っても、上記テマヒマを考えると躊躇してしまう
  4. 本文が比較的短いので、各段落ごとにインデントや文字の大きさのバラツキがあると、とても目立つ
  5. 上司から、章や節のタイトル文字をもう少し大きくとか、項や号の行頭を1文字下げて・・・など、細かい注文がきて、その都度チマチマと1行1行調整を行う必要があることも・・・。

なんだか、書いてるだけでウンザリしてきました。それぞれ結構たいへんな作業です。

そのテマヒマ、Wordの「便利機能」でカンタンになるかも

ウンザリするようなテマヒマをカンタンに解決するような「便利機能」が、Wordの中に埋もれているとしたら?

「アウトライン」「スタイル」「相互参照」

Wordの中でもあまり使われていない(・・・と思われる)この3つの機能を使いこなせれば、就業規則の作成・改訂にまつわるテマヒマが、ずいぶんと軽減されるかも知れません。

とても便利な機能なのに、どうしてあまり使われていないのでしょうか?

実はこれら「3つの便利機能」は、「章」「節」などの構造が明確(厳格)に決まっているボリュームのある文書、たとえば論文などを作成するときに威力を発揮する機能だからです。普段作られるような2~3枚程度の文書では、これらの機能を使わなくても作ることが出来てしまいます。

もっといえば、普段作られるような2~3枚程度の文書であれば、この3つの機能を「使わない」方が、手っ取り早くカンタンにできてしまうかも知れません。これらの機能を使うためには、その考え方を理解した上で「ちょっとした準備」が必要です。

「必要な部分だけ」をカンタンにまとめます

就業規則を作成・改訂するときに便利に使える3つの機能「アウトライン」「スタイル」「相互参照」は、密接に関連があります。

「アウトライン」のポイントをマスターすれば、「スタイル」と「相互参照」を使いこなすことは比較的カンタンです。馴染みのない機能ですが、これから就業規則作成に必要な機能の「必要な部分だけ」を手っ取り早くまとめていきたいと思います。

「時間外労働の上限規制の導入」や「働き方改革の推進」など、「就業にまつわる環境」がドンドン変わる中で、これからも継続的に就業規則を作成・改訂していかなければならないでしょう。

見かけの体裁などの調整や機械的な作業など、Wordの機能を活用できるところは活用して、「人間にしかできない」規則そのものの内容や制度導入プランの検討などに注力できるように、時間に余裕があるときにすこしづつ準備しておくことをオススメします。

本日のまとめ

  1. 就業規則というのは、ふだんよく作る「日報」「議事録」などと違って、特徴あるカタチをしている。
  2. Wordには、ふだん使わない機能があるが、中にはとても便利な機能がある。
  3. Wordには、就業規則の作成・改訂にかかわる「うんざりするようなテマヒマ」を、軽減してくれるような「使われていない機能」があるかも・・・