今回の記事は、「Excel作業をVBAで効率化」様の「VBAでPCの起動や終了のイベント発生時刻を取得する」記事を元に書きました。

人事労務担当者として知りたかったことがズバリっ!書かれてあるとても良い記事です。ぜひ一度お読みになることを強くオススメします。
(リンク先の記事でパソコンの使用履歴が取得できる人は、このエントリを読む必要はありません^^^^)

労務管理の中で、最近特に注目されているコト

いったいどうなるのか・・・と思っていた働き方改革関連法案が、そろそろ決まりそうな情勢になってきました。

いろいろな改正ポイントがありますが、「労働時間の上限規制が実施される」ということから、今日のテーマは「労働時間の管理」に関することです。

「実態調査」と「補正」の義務

実は、去年(平成29年)1月20日に、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が出されています。以前からあった「46通達(適正把握基準)」と比較すると、「労働時間の考え方」が書かれてあったりして、とても興味深いのです。

労働時間の考え方の他にも、「(3)自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置」では、次のように、労働時間の「実態調査」と「補正」に関する義務が明記されました。

ウ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。
特に、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間の分かるデータを有している場合に、労働者からの自己申告により把握した労働時間と当該データで分かった事業場内にいた時間との間に著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。

「実態調査」の具体的な方法として考えられるのが、今日のテーマ「パソコン使用履歴」の確認です。

厳密にいえば、パソコンを使ってどのような仕事をしたか調べるには、そのパソコンに専用のソフトをインストールしておく必要がありますが、今日ご紹介するのは、Windowsパソコンの標準機能を使った簡易チェックの方法です。

具体的な確認手順

確認方法を調べるための重要なキーワードをご紹介しましょう。「Windows イベントビューアー」です。どのようなモノかは「百聞は一見にしかず」です。起動してみましょう。

起動方法はOSにより異なるのですが、「Windowsキー + R」を押してでてくる「ファイル名を指定して実行」のところに「eventvwr.msc」と入力して起動する方法が手っ取り早いです。
「Windowsキー + R」とは、Windowsマークの刻字してあるキー(たいていキーボードの最下列にあります)を押しながら、アルファベットのRのキーを押す操作です。

イベントビューアーを起動すると、次のような画面になります。

 

ここでは様々な情報が得られますが、「労働時間管理」という目的を考えると、「パソコン起動」「パソコン終了」といったイベントの時刻がわかればいいので、左上の「Windowsログ」をクリックして、「システム」を選択すればシステムに関するイベントが表示されます。

ひとまず、イベントIDごとの日にちと時刻の情報が表示されました。

ログをすこしだけ見やすくする

いちおう表示されたんですが、イベント数にご注目ください。私のパソコンの場合「6086個」あるようです。

すこし表示されるイベントをしぼってみましょう。左のメニューの上で右クリックをすると出てくるメニューの中から「現在のログをフィルター」を選択してみてください。

いろいろな条件で表示をしぼるコトができます。たとえば、イベントIDの「6005(パソコン起動)」、「6006(パソコン終了)」、「7001(スリープ開始)」、「7002(スリープ復帰)」で表示をしぼるのは、次のように設定します。

 

これで、すこし表示数をしぼるコトができました。私の場合、これでも159個のイベントが表示されるんですけどね。

まとめ

パソコンの使用履歴を、いちおう見ることができました。

けれども、「労働時間管理」の目的として、とても使いやすいデータとは言えませんね。そこで、冒頭に書いたリンク先、もう一度書いておきましょう。

「Excel作業をVBAで効率化」様の「VBAでPCの起動や終了のイベント発生時刻を取得する」です。

ホントこ~ゆ~情報がないかな・・・って、ずっと探していたので、とってもスッキリしました。ありがとうございます! 「Excel作業をVBAで効率化」を書いた人。

さっそく、「VBAでPCの起動や終了のイベント発生時刻を取得する」で紹介されているコードに、「データをシートに書き込む処理」を追加して、あぁっというまに「PCの起動・終了イベント一覧表」が作成できるようになりました。

結果を見ると、「PC起動」と「PC終了」のあいだに「スリープ復帰」だけあったりするパターンが何回かあります。「スリープ復帰」が2回続いていることもありますね。おそらくイベントIDの絞り込みをするときにモレているイベントがあるのでしょう。「6005,6006,7001,7002」だけではなく、他のIDも取得する必要があるように思います。

ただ、マクロでイベントが取得できるようになったので、取得するイベントIDを増やしても手間なく集計ができそうですね。